教育費の総額は?
日本は少子化と言われて久しいですが、国立社会保障・人口問題研究所が実施した「14回出生動向基本調査」(2011年)によると、夫婦にたずねた理想的な子どもの数(平均理想子ども数)は2.42人だそうです。しかし、実際に持つつもりの子どもの数(平均予定子ども数)は2.07人となっています。
子どもを持てない理由として、もっとも多いのが「子育てや教育にお金がかかりすぎるから」です。
では、実際にどの程度のお金が教育費としてかかるのでしょうか。
学習費は公立か私立かによって大きく異なる。
下の表は幼稚園3歳から高等学校第3学年までの15年間について、学校種別による学習費の総額です。
学習費の総額の差は、私立は公立に対し、幼稚園では約2.2倍、小学校では約4.6倍、中学校では約2.8倍、高等学校では約2.5倍となっています。
文部科学省「平成24年度子どもの学習費調査」
幼稚園 | 小学校 | |||
---|---|---|---|---|
公立 | 私立 | 公立 | 私立 | |
年間平均 | 219,787円 | 487,188円 | 304,956円 | 1,423,083円 |
総額 | 659,363円 | 1,461,564円 | 1,829,736円 | 8,538,499円 |
中学校 | 高等学校 | |||
---|---|---|---|---|
公立 | 私立 | 公立 | 私立 | |
年間平均 | 450,436円 | 1,295,842円 | 386,287円 | 962,066円 |
総額 | 1,351,309円 | 3,887,526円 | 1,158,863円 | 2,886,198円 |
文部科学省「平成24年子どもの学習費調査」より
では、子ども一人当たりの幼稚園から高等学校卒業までの15年間の学習費総額はどの位なのでしょうか。
全て公立に通う場合は約500万円、全て私立の場合は約1,677万円となり、その差は約3.35倍です。
大学は学部によってかかる費用が大きく異なる
高等学校を卒業し、大学に進学する場合は国公立か私立かという事で学費が大きく変わりますが、どの学部に進学するかでもかかる費用は大きく異なります。
さらに、自宅通学ではなく一人暮らしをされる場合は、下表の金額に加えて仕送り等の費用が必要となります。
下表は、大学在学中にかかる授業料・施設設備費納付額の目安です。大学や学部により異なる場合があるので、一概にひとくくりには出来ませんが、お子さまの学習費を準備される上での参考になると思います。
入学料 | 授業料 | 施設設備費 | 合計 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
総額 | 年間 | 総額 | 年間 | |||
国立大 | 282,000 円 |
2,143,200 円 |
535,800 円 |
― | ― | 2,425,200 円 |
公立大 | 397,909 円 |
2,151,732 円 |
537,933 円 |
― | ― | 2,549,641 円 |
私立大 文系 |
250,910 円 |
2,967,780 円 |
741,945 円 |
641,696 円 |
160,424 円 |
3,860,386 円 |
私立大 理系 |
265,942 円 |
4,143,820 円 |
1,035,955 円 |
758,328 円 |
189,582 円 |
5,168,090 円 |
私立大 医歯系 |
1,034,844 円 |
16,818,990 円 |
2,803,165 円 |
5,299,590 円 |
883,265 円 |
23,153,424 円 |
- ※公立大学入学料については、地域外学生の入学料にてより算出。
- ※国立大については、文部科学省令による標準額より。
- ※公立大については、文部科学省「平成25年度学生納付金調査」より。
- ※私立大については、文部科学省「平成24年度私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額調査」より。
- ※医学部・歯学部系統は6年制と4年制があり、ここでは6年間として算出。
お子さまの進学とともに家計における教育費の負担も大きくなってきます。特に高校・大学では大きなお金が必要となってきます。早めの準備はもちろんですが、例えば奨学金制度や教育ローンの内容などもあらかじめ調べておけば、より安心かもしれませんね。